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あらすじ
お人好しで周囲から愛されている少年・福太(ふくた)は、子どもの頃の記憶の一部を失っている。その欠けた記憶は、かつて大好きだった近所の“葵兄ちゃん”こと葵(あおい)に関するものだった。
ある日、その葵が昔とほとんど変わらない姿のまま福太の前に現れ、福太は説明のつかない喪失感と違和感に揺さぶられていく。再会はどこか懐かしくあたたかいのに、思い出してはいけない過去が確かにそこにある。なぜ葵兄ちゃんは幼い頃のまま姿が変わっていないのか。なぜ福太は葵兄ちゃんの記憶を失っていたのか。温かさと喪失感が同居するBLミステリー。
どのような作品?
一見するとハートフルな再会もののようでありながら、全体にじわじわと不穏な描写が散りばめられている作品。優しい空気や懐かしさがあるぶん、その奥に沈んでいる違和感や喪失感がより強く残る作りになっている。
タイトルにもある「心中」という言葉がかなり大きな鍵になっており、ただ切ないだけでは終わらない、不穏さそのものを抱えた読み味が特徴。BLとしての感情の強さと、ミステリーとしての引きの強さが噛み合っていて、読んでいる間ずっと落ち着かなさが続くタイプの作品でもある。BLの中でもかなり衝撃作として語られることが多く、いまでも根強い人気があるのも納得できる一作。あたたかさの中にある不気味さや、喪失感を引きずるような物語が好きな人には特に刺さりやすい。
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