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あらすじ
物語は、主人公が故郷の鎌倉に降り立ち、過去を回想する場面から始まる。
高校1年生の住野(すみの)は、鎌倉のサッカー強豪校に進学したものの、入部早々に足を骨折してしまう。練習に参加できないまま、自分の居場所も見失い、夜な夜な町をふらつくような日々を送っていた。そんな中で出会ったのが、居酒屋で働く年上の男性・青木(あおき)だった。住野は彼と接していくうちに、これまで知らなかった種類の感情を少しずつ自覚していく。サッカー部での挫折、海辺の町の空気感、年上の相手への強い思いが重なっていく、ひと夏の記憶を描いた物語。
どのような作品?
海辺の町の湿度や、どこか懐かしさを帯びた空気感が作品全体にしっかり漂うブロマンス作品。出来事の派手さで引っ張るというより、居場所をなくした少年の揺れや、言葉になりきらない感情の輪郭を、空気ごと丁寧にすくい取っていくタイプの作品になっている。
サッカー部での挫折や、夏の鎌倉の蒸し暑さ、年上の相手に惹かれていく感覚が自然につながっており、青春ものとしての痛みと、静かな感情の高まりの両方を味わえるのが魅力。派手な恋愛ものというより、感情の名前がまだ定まりきらない時期の切実さや、忘れがたい夏の感触を読む作品として強い印象を残す。纏う空気感そのものに惹かれる作品が好きな人や、和山やま作品のような温度感が好きな人には特に薦めやすい一作。
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