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初恋 / COMIC SELECTION

#初恋

初恋の感情が物語の核として扱われ、初めてのときめき・不器用さ・距離の測り方などが中心的に描かれる作品に付ける。恋の始まりの温度感が読み味になっているタイプ。

33作品

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まずは、この一冊から。

土砂のイチオシ

気になる表紙から、読んでみよう。

初恋の漫画一覧

リセット

全33作品

おやすみプンプンの表紙

この作品は、主人公・プンプンの恋と挫折、そしてそこから生まれる自己肯定感の低さを描いた作品である。
本作の大きな特徴として、主人公のプンプンとその家族・親戚はひよこの落書きのような姿で描かれている点が挙げられる。
さらに物語が進むにつれて、プンプンの心理状態に合わせてそのビジュアルも変化していく(例:ひねくれた状態のときは三角形になるなど)。
ただし、これはあくまでも漫画的な表現であり、読者の視点からそう見えているだけで、作中の人物たちからは人間の姿として見えているという設定である。
また、「プンプン」という名前も読者が認知している仮の名にすぎない。
さらに、本作では他の登場人物が通常の吹き出しで会話を交わす一方で、プンプンのセリフだけは「プンプンは〇〇と言いました。」のようなナレーション形式で進行していく。
こうした演出が、本作を非常に実験的で特徴的な作品にしている。

月曜日の友達の表紙

月曜日の友達

阿部共実

ボーイ・ミーツ・ガールを、詩の呼吸で描いた小さな青春譚。
月曜の夜という“憂うつの象徴”を、ふたりにとっての光へと反転させる構図が鮮やか。阿部共実らしい鋭さはありつつ、全2巻に暗い描写はほぼなく、小説的な言葉選びとセカイ系の気配が、初恋と友情の揺れを軽やかに運ぶ。
大人になりたくない気持ちと、大人になっていく現実。その間に生まれる微かな痛みと、確かなやさしさ。短い巻数できれいに着地する、読後に余白の残る作品。

澱の中の表紙

澱の中

あむ

弱者男性の劣等感と欲望を、言い訳と自己嫌悪の独白で積み上げて見せる心理劇。職場という公共の場で、目線・距離・言葉の選び方が少しずつ崩れていく過程を、日常の手触りで追わせる。画面内の妄想と現実の出来事が呼応し、読者側の「それはアウトだ」のラインが話数ごとに試される設計。読み心地は重いが、主人公の内面が論理で自分を正当化し、次の瞬間に自己嫌悪へ戻る反復がリアルで、そこで物語が前に進む。暴力・ハラスメント・性に関する描写や議論が主題に入るため、苦手な人は注意。

青野くんに触りたいから死にたいの表紙

序盤は、幽霊になった青野くんとのどこかシュールな恋愛模様が描かれていくが、読み進めるほど不穏な空気が濃くなっていき、不気味な場面や展開がはっきり増えていく。そのため、恋愛漫画やラブコメとして入れる作品ではあるものの、手触りとしてはホラー漫画の側面のほうがかなり強い作品だと思う。

一方で、ただ怖いだけの作品ではなく、人を愛するとは何なのか、他人と自分の境目とは何なのかといった、人を思うことそのものに踏み込んでいくような大きなテーマも抱えているのが特徴になっている。恋愛、執着、恐怖、親密さがひとつに混ざり合っていて、かなり独自の読み味がある。新しいマンガ表現を切り開いた作品と言っていいし、個人的には名作と呼んで差し支えない作品だと思う。明るい作品ではないが、心にガツンとくるような作品を読みたい人には強く薦めたい一作。

顔だけじゃ好きになりませんの表紙

この漫画、とにかくビジュアルの暴力がすごい!!!
作画が超ハイレベルで、見開きゴマの破壊力はもはや兵器。
尊すぎて何度も息を飲む。
赤面ヒロイン×ストレートな愛情表現をするクールイケメンの王道が、令和のSNS文化と融合し、とんでもないトキメキ爆弾になっている。
服装も超おしゃれで、扉絵のたびにコーデが神がかってる。
読めばわかる、これは全読者を“女子高生”にする魔法の本だ!!!

愛人【AI‐REN】の表紙

愛人【AI‐REN】

田中ユタカ

ただ死を待つだけだった少年が、「好きになる」ことで、生きることをもう一度考えはじめる物語。
感情を知らない少女が、「誰かと心を重ねる」ことで、自分の存在を知っていく。
やがて世界の運命を巻き込みながら、ふたりの関係は静かに、でも確かに加速していく。
SF、セカイ系、ボーイ・ミーツ・ガール、そして恋愛——その全部が、丁寧な空気と哲学の中で溶け合っていく作品です。
読後、きっとしばらく何も読めなくなる。

出会って4光年で合体の表紙

出会って4光年で合体

太ったおばさん

382ページという膨大なボリュームに、小説さながらの文章が敷き詰められた、完全成人向けの同人漫画。
ジャンルとしては“成人漫画”に属するものの、その内容は哲学・民俗学・ハードSFが絡み合う異例の構成で、もはや「漫画」と呼ぶのもためらうほど。
セリフは“吹き出し”ではなく、長方形のテキストボックス内で、地の文と台詞が混在するかたちで展開される。
たとえば《「そこにいんの?ふ~ん」と大して驚いた様子でもなく納得する様子の真男。》といった具合に、
会話すらも文章として描写される小説的アプローチが貫かれている。
性描写は印象的ながら、ページ全体における比率は1〜2割ほど。
むしろその行為に至るまでの空気、沈黙、風景、そして時間そのものに重点が置かれている。
読むというより“潜る”感覚に近い作品で、気づけば4光年というとんでもないスケールの物語に引き込まれている、そんな異色作。

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僕の彼女はデッカワイイの表紙

ただのラブコメというより、「尊い」って言葉がぴったりくるタイプの作品。
お互いにコンプレックスを抱えながらも、相手のことは本気で大切に思ってる関係性がとても丁寧に描かれている。
特に魅力的なのはヒロインの大日方さん。背が高いせいでどこか自信がなかったり、ふと見せる優しさがすごくリアルで、身体は大きいけど中身はとても繊細。
見下ろす角度や、逆に下から見上げる構図など、身長差を活かした描写がとにかく上手くて、大日方さんの可愛さが際立ってる。
“好きな気持ち”がまっすぐに描かれていて、読む側も自然と笑顔になるような作品。

僕だけが知ってるんだぜの表紙

ごくごく平凡な男の子が、クラスで一番のクール美人の“素の顔”に出会ってしまう。そんな“僕だけが知っている”という関係性に、とにかくニヤニヤが止まらない。

小裏さんの笑顔は、まるで秘密のご褒美みたいな尊さがあって、読んでるこっちまで大切にしたくなる。
言葉少なめだけど心が通っていく感じや、互いに踏み出していく小さな一歩の積み重ねが、甘酸っぱくてじんわり沁みる。
ピュアで優しいラブストーリーが好きな人に、めちゃくちゃ刺さる作品。

かたすみのきおくの表紙

海辺の町の湿度や、どこか懐かしさを帯びた空気感が作品全体にしっかり漂うブロマンス作品。出来事の派手さで引っ張るというより、居場所をなくした少年の揺れや、言葉になりきらない感情の輪郭を、空気ごと丁寧にすくい取っていくタイプの作品になっている。

サッカー部での挫折や、夏の鎌倉の蒸し暑さ、年上の相手に惹かれていく感覚が自然につながっており、青春ものとしての痛みと、静かな感情の高まりの両方を味わえるのが魅力。派手な恋愛ものというより、感情の名前がまだ定まりきらない時期の切実さや、忘れがたい夏の感触を読む作品として強い印象を残す。纏う空気感そのものに惹かれる作品が好きな人や、和山やま作品のような温度感が好きな人には特に薦めやすい一作。

えいとまん先生のおかげで彼女ができました!の表紙

本作は、えいとまん先生本人を作中に登場させず、ファンと過去作だけで成立させる“第三の壁破壊”系のエロ漫画。
やっていることは明快で、えいとまん先生の過去作が、ふたりの関係を進めるための「型」や「合図」になっていく。読者は、作品を読んでいるはずなのに、作品の外側(現実の関係)が動いていく感覚を味わうことになる。

面白いのは、作者が長年NTR漫画を描いてきた文脈を背負っているのに、この話で描かれている中心が寝取られではなく、ファン同士の“純愛寄りの関係”になっている点。
NTR成分が期待と違う、という反応が出るのも分かる。でも、ここで成立している寝取られ構図は別方向で、視点を変えると、寝取られているのはファンではなく「えいとまん先生」になる。

つまり、ファンが作者の過去作を踏み台にして現実で結ばれていくこと自体が、作者側から見れば「自分の作品で、ファンが他人とくっついていく」=作者が寝取られる、という読みができる。
この作品はそこを意図的に成立させていて、寝取られを“作中の出来事”としてではなく、“構造”として読ませる設計になっている。

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ねずみの初恋の表紙

ねずみの初恋

大瀬戸陸

殺しと日常が交差する、狂おしくも切実な恋愛×サスペンス。
ねずみのアクションシーンはスピード感があり、映画のような“カメラワーク”で読ませる演出が光る。
LINEでやりとりしながら暗殺をこなすようなシーンもあり、日常と非日常のギャップがクセになる。
そして碧もまた、物語が進むごとに“守られる側”から脱却し、ねずみと対等な関係へと変わっていく。
次巻が気になる引きの巧さと、構成にも注目。

灯台守とかもめの子の表紙

作品全体に漂う空気がとにかくあたたかくて、読んでいて本当に心がほぐれる。
とくに幼少期のルネは、表情豊かでめちゃくちゃ可愛い。
無邪気に動き回る姿に「もうこの育児パートだけで一生読める…!」とさえ思ってしまう。
でも、ルネはあっという間に成長していく。
それでもエヴァンは、彼のことを“子ども”としてではなく、“対等な相棒”として接していくようになる。
この関係性がまた、言葉にできないくらい尊いんです。
一応BLレーベルから出ている作品だけど、1巻の段階ではほとんどBL的な要素はなし。
それよりも「この出会いが、誰かの人生を変えていく」――そんな奇跡を見守るような気持ちになる。
2巻以降では恋愛的な要素も絡んでくるらしく、物語としての広がりにも期待が持てる一冊。

青のフラッグの表紙

高校3年生という多感な時期。

受験、恋、部活、進路、友情――さまざまな事情が交差するなかで、 主人公は親友と好きな人との間で揺れ動くことになる。
本作は単なる青春ラブコメではなく、 「人を好きになるとはどういうことか?」 「恋愛としての“好き”と友情としての“好き”はどう違うのか?」 そんな問いを通じて、登場人物たちの恋愛観や価値観がぶつかり合い、 時に傷つけ合い、時に理解を深めていく――
ヒューマンドラマとしての側面が強い青春漫画。
登場人物たちはそれぞれ異なる価値観を持っていて、 読む人によって「気持ち、わかるな」と思えるキャラクターがきっと見つかるはず。
誰の視点に共感するか、どこで心が揺れるか――
読者ごとに感じ方が変わるのも、この作品の大きな魅力のひとつ。
できれば、事前にネットでネタバレなどを見ずに読んでほしい。
まっさらな気持ちで読んでこそ、作品が届けてくる感情の機微が、心に響いてくる。

きみは四葉のクローバーの表紙

少年誌で連載しているとは思えないほど、いじめ描写が過酷で、毒親要素や自傷行為などの要素も含まれる暗い作品。過激な描写が苦手な人は注意が必要。
表紙の印象に反して、物語の軸はミステリー寄りで、よつはがなぜ現れたのか、宇一の周囲で何が起きていたのかを追う構造になっている。語りすぎると面白さに直結するタイプなので、内容の核心に触れない範囲でも「不穏さ」と「緊張感」が強く続く。
その重さの中で、いじめや家庭環境で凍ってしまった宇一の心が、よつはの愛情と行動によって少しずつ溶けていき、救われていく過程が大きな見どころになる。キツい描写に耐えた先で、関係性の尊さが刺さる作品。

僕たちの心中の表紙

僕たちの心中

古屋兎丸

初めに、この作品には希死念慮、性暴力、虐待、いじめ、リベンジポルノなどの描写があり、読む人によってはそのトラウマを思い出させる要因になる可能性があるため注意してください。

『ライチ☆光クラブ』や『帝一の國』を代表作に持つ古屋兎丸先生の全編フルカラー漫画。
家庭環境にそれぞれ問題を抱えた同級生の男女が、それぞれ惹かれ合いお互いの心を通わせていく中で、かつての文豪たちがそうしたように二人で心中をしていくことを企てていく物語。

この物語の根幹は生と死、そして性というものを描いており。性に対してそれぞれ歪んだ経験を持つ二人が人を愛するということは何なのか?性とはなんなのか?を互いに導いていくストーリー。かなり過激な描写が描かれているので読む際は注意が必要。

紙の場合はハードカバーで2970円だが電子は990円なので内容だけを把握したい場合は電子がお得だが所有欲を満たしたい場合は紙で買うのもオススメ。

やちるさんはほめるとのびるの表紙

八尺様という怪談モチーフを、恋愛とフェチの文脈に接続し直したラブコメディ。褒められることで力を取り戻し、身体が大きくなるというルールを、羞恥やときめきと結びつけて“関係性の変化”として機能させている点が特徴的である。

身体のサイズが変化することで、服の不具合や空間の圧迫、予期せぬ急接近といった状況が発生し、コメディと色っぽさが同時に立ち上がる。ただし主軸は刺激よりも、ふたりのピュアさと互いへの誠実さに置かれており、可愛げと微笑ましさが読み味を支える。

また、視点や構図の切り替えが多く、身長差や距離の変化を画面で見せる工夫が効いている。ニッチな嗜好に刺さる題材でありながら、関係性の積み上げとして読ませる設計になっている作品。

ふたりバスの表紙

ふたりバス

豊林サカネ

過疎化が進む地域のバス通学を舞台にした、かなり甘酸っぱいラブコメ作品。幼稚園と小学校では近い距離にいたのに、中学から別々の学校に通うようになったことで少し離れてしまったふたりが、バスの中でまた関係を取り戻していくような物語になっている。
中学生という、子供でも大人でもない時期のなんとも言えない距離感が魅力で、恋なのか、まだ恋ではないのか、自分たちでもよく分かっていないような関係性がかなりもどかしい。大きな事件が起きるというより、限られた時間と場所の中で交わされる会話や、ふたりだけの秘密のやり取りを楽しむ作品。『からかい上手の高木さん』のような、近い距離で少しずつ関係が変わっていくラブコメが好きな人にぜひ読んでほしい。

どうにかなる日々の表紙

“可愛い”と“痛み”を同じページに置く、関係の温度を読む一冊。
出来事より感情の断片が記憶に残る、オムニバス構成。
性描写は軽くないが、どれも心の延長線にある(学生には薦めづらいレベル)。
“救い”というより、埋め方を見つける物語――その夜に残る体温と、翌朝の余韻までが作品。
傷と傷が触れたときの小さな揺れを、やさしく、しかし曖昧にせずに捉える。

さむわんへるつの表紙

さむわんへるつ

ヤマノエイ

いい意味でジャンプっぽくなくて、ちょっとサンデーっぽい手触りの、ゆるいラブコメディ。

題材が「深夜ラジオのハガキ投稿(大喜利)」ってかなりニッチで、くらげのボケが“元ネタ知ってる前提”で飛んでくることもある。だから刺さる人にはとことん刺さるし、わからない人は置いてかれる瞬間もあると思う。でも、その「2人だけの共通言語がある感じ」がちゃんと甘さとして効いてくるのが良い。

大事件で引っ張るタイプじゃなく、リスナー仲間としての空気が、少しずつ男女としての進展に変わっていく。その“夜のテンポ”が心地いい作品。1巻発売に合わせてオールナイトニッポンとのコラボも発表されてて、今まさに勢いある1冊って感じ。

ハイスコアガールの表紙

ゲームしか取り柄のない主人公が、ゲームを通して女の子と交流し、人間的に成長していくラブコメ作品。
作中に登場するゲームは、『ストリートファイターII』や『源平討魔伝』、『魔界村』など懐かしの名作ばかりで、そこも大きな魅力のひとつ。
主人公・ハルオは生粋のゲーマーで、女の子の恋心に対してとても鈍感。
小学生の頃からの幼馴染でありゲームのライバルでもある大野晶、そして中学生編から登場する日高小春、2人の間で揺れる恋模様も必見。

子供はわかってあげないの表紙

空気感がとても柔らかい作品。2人の会話のやり取りがコミカルで、とても心地いい。
高校生という、子どもでも大人でもない中途半端な2人が、どんどんと大人として成長していく様子はキラキラしていて、とても眩しい。
物語の合間に散りばめられた小ボケも心地よく、この2人を見守る周りの大人たちもとても温かい。愛にあふれた、素敵な作品だと思います。

塩田先生と雨井ちゃんの表紙

塩田先生と雨井ちゃん

なかとかくみこ

「教師×生徒」という関係をテーマにしながらも、“禁断の恋”という重さやドラマチックさは抑えめ。
あくまで“付き合っているふたりの日常”を描くスタイルで、ゆるやかなテンポと小さな幸せが積み重なっていく作風。
恋愛感情の揺れ動きというより、関係が続いていく日常の尊さや、距離感のバランスが魅力。
設定上の倫理観に引っかかりを覚える人にはおすすめしづらい一方で、 「高校時代に憧れていた先生ともし付き合っていたら…」という妄想をやさしく形にしてくれるような一作。

少年ジャンプ+読み切り集『恋』の表紙

少年ジャンプ+読み切り集『恋』

タイザン5,朝賀庵,矢薙/増渕,ウナム,ナジ,大豆田

『恋』は、恋愛をテーマにしてるけど、ラブコメの軽さで押す巻ではない。毒親やいじめ、孤独や依存みたいな重い題材を含みつつも、この巻で描かれる「恋」は、どの作品でも最終的に救いとして機能している。状況がしんどいほど、誰かを想う気持ちが空気を変えていく。その変化の仕方が5本それぞれ違うから、読み切り集としての振れ幅もある。

読後に残るのは、恋の甘さというより、恋が人を現実に繋ぎ止めたり、息をしやすくしたりする感覚に近い。重い題材が入っていること自体は注意点だけど、読んで暗く沈む方向ではなく、「救われるための恋」をまとめて浴びたい時に強い一冊だと思う。

ベラドンナの恋人の表紙

百合としての甘さやときめきがありつつ、萌えの記号に寄りかかりすぎない短編集。少女漫画的な距離感や情緒を保ったまま、女の子同士の恋の輪郭をまっすぐ描いている。
特に効いているのは表情の描写で、言葉にしきれない感情の揺れが、目線や間で伝わってくる。明るさと切なさが同居していて、読後に残るのは“きれい”という印象だけではなく、胸の奥が少しだけ痛むような余韻。恋の入り口の眩しさと、届きそうで届かない距離の苦さが、同じページの中に並ぶタイプの百合短編集。

クマとウサギは友達ではいられないの表紙

大きな体でいかつい見た目なのに、実はピュアで真っ直ぐな熊坂くん。そのギャップがとにかく可愛くて、読んでいて守りたくなる。
見た目との反転や、体格差による距離感が丁寧に描かれていて、「ズレたまま惹かれ合うふたり」がテーマとしてしっかり伝わってくる。

見た目で判断されがちな関係性に、ちゃんと「人としての魅力」が乗っているのがこの作品の強み。エロさを期待すると肩透かしだけど、ラブコメとしての純度と読み心地の良さがしっかりある。
特に女性読者からの支持が高く、ピュアで不器用なやりとりが好きな人にはグッと刺さるはず。

地球のおわりは恋のはじまりの表紙

自己肯定感が低く、人に迷惑をかけないようにと生きてきた女の子と、 ぐいぐい来るけどどこか優しさを感じさせるイケメン男子―― そんなふたりの関係が、不器用ながらも少しずつ変化していく王道ラブストーリー。
真昼の表情はくるくると変わって、感情の動きがとても丁寧に描かれている。
少女漫画らしい甘さがありつつも、男女問わず読みやすいタッチなので、 普段あまり少女漫画を読まない人にもおすすめできる一冊。

消えた初恋の表紙

消えた初恋

作画:アルコ 原作:ひねくれ渡

少女漫画の形式を借りながら、BLと男女恋愛の境界をなめらかに溶かしていくような構造が特徴的な作品。
嘘から始まったはずの関係が、やがて本音とぶつかりながら変化していく。
「好き」という感情の輪郭が、年齢や性別によって決まるものではないことを、じわじわと実感させてくれる。

BL耐性がない人にも読みやすく、ラブコメ的なテンポ感もありつつ、
最終的には**“誰かを想う”という行為の本質に迫ってくる**構成になっている。
道枝駿佑(なにわ男子)×目黒蓮(Snow Man)のダブル主演で実写ドラマ化もされ、話題にもなった。

そんな、14歳。の表紙

中学二年の“今”を、誇張せずにすくい上げる青春ラブストーリー。
視線の交錯や、気づかれたくない小さな変化、言葉にならない逡巡といった、14歳の速度で進む関係が中心に据えられている。
派手な事件ではなく、教室の空気や放課後の匂いの中で感情が少しずつ形になる過程が丁寧。クールに見える美優の揺れと、観察してしまう海斗のまなざしが呼応し、甘酸っぱさと微かな痛みが同居する。
少女漫画としての可愛らしいキャラデザインに、男の子側の視点も自然に重ねることで、読む側の年齢や性別を選ばない“懐かしさ”と“いまの等身大”が共存している。

ロックンロールの表紙

一言でいうと、クラスにいる仲の良い男の子ふたりを少し遠くから眺めるのが好き、というタイプの人にかなり刺さりやすい作品。高校生の幼なじみふたりが、お互いを意識しながらも絶妙な距離感のまま近づいていく、その過程を読者が俯瞰で見守るように楽しむタイプのBLになっている。

何か劇的な事件が起こるとか、強いフックのあるあらすじで引っ張る作品ではなく、ふたりが積み重ねてきた空気感や、言葉にしきらない距離の近さそのものを味わうのが中心になる。そのぶん、好きな人にはかなり強く刺さる一方で、「どんな作品か」を説明しようとすると少し言葉にしづらいタイプでもある。大きな展開よりも、幼なじみ同士の関係が少しずつ変わっていく様子を眺めるのが好きな人に向いている一作。

アオハライドの表紙

アオハライド

咲坂伊緒

10代のピュアな恋愛を描いた王道少女漫画。

かつての初恋の相手との“すれ違いの再会”を軸に、高校生活の中で恋と友情、自分らしさを模索する過程が丁寧に描かれている。
キャラクターの表情や感情の揺れが繊細に表現されており、青春時代のキラキラした痛みとときめきが詰まっている。
アニメ化・映画化もされ、2010年代の女子高生たちに強く刺さった一冊。

果実と怪物の表紙

ケーキバースという「人が人を食べる」前提の設定があるから、最初はグロテスクな方向を連想しやすい。でも、この作品の手触りはかなり甘めで、空気がやわらかい。読み味としては、物騒さで押すというより、距離の詰まり方と心の揺れを丁寧に積んでいくタイプ。

松村の危うい憧れ(食べられたい)と、井桁の不器用な優しさがぶつからずに並走していくのが気持ちいい。特殊体質の設定は強いけど、見せたい核はあくまで「甘々なやり取り」と「少しずつ親密になっていく過程」。ケーキバース入門としても比較的読みやすい寄りだと思う。

晴野さんのことなんて全然好きの表紙

ワンコ系の男の見た目に惹かれて購入した作品。
オフィスを舞台に、緩い恋愛が描かれていくラブコメ。主人公の鈴里はキラキラ都会OLとして理想の結婚を目指しているが、なぜか理想とは違う晴野さんにペースを崩されていく。強い事件で引っ張るというより、晴野さんの見た目や雰囲気、鈴里がじわじわ崩されていく空気を楽しむ作品。
表紙の晴野さんの見た目が気になったら、その時点でかなり買いな一冊。

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