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あらすじ
気弱で冴えない青年・イチは、普段はおどおどした性格でありながら、ある条件のもとで凄惨な殺しを実行してしまう異常な殺し屋だった。
一方、新宿の裏社会では、激しい痛みにすら快楽を見いだすヤクザ・垣原(かきはら)が、失踪した組長の行方を追って暗躍している。イチと垣原、そして裏で動く“ジジイ”たちの思惑が交錯することで、新宿の街は血なまぐさい抗争の舞台へと変わっていく。かなり暴力描写と性暴力の描写が多く、特に罪のない女性がヤクザたちによって凄惨な目に遭う場面も多いため、読む人はかなり選ぶ作品。
どのような作品?
かなり過激な暴力描写と性暴力描写を含んだ、強烈なバイオレンス作品。ただ残酷な場面を並べるだけではなく、作品全体を通して「エゴイストとは何か」「真に自分本位な人間とはどういう存在なのか」というテーマが一貫して流れているのが特徴になっている。
ヤクザたちは女性を凌辱し、凄惨な殺しを行う畜生として描かれている一方で、彼らを成敗する側に見えるイチも、単純なヒーローではない。この作品においてイチは最も弱い存在でもあり、同時に最も強い存在でもある。そのねじれた立ち位置が、作品全体の不穏さや異様さを支えている。読んだからといって学びがあるとか、人生観が変わるとか、そういう作品ではないと思うが、それでも名作だと言いたくなるだけの強さがある。暴力や欲望の極端さ、その中でむき出しになる人間の身勝手さを見たい人には強く残る一作。
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