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あらすじ
理系大学生の高次(たかつぎ)は、たまたま訪れた真夏のプロ野球観戦で、野球を心から愛する女性・にいなさんと出会う。野球をきっかけに距離を深めていくうちに、高次自身もまた、彼女の熱量に引っ張られるように野球の魅力へ取りつかれていく。
順調に交際を重ねていた二人だったが、ある日突然ワームホールが出現し、目を覚ました先は異星人が暮らす見知らぬ星だった。そこで異星人たちに助けられた二人は、地球の文明を教える見返りとして、にいなさんの大好きな野球を彼らに教えていくことになる。やがて異星人たちは野球に夢中になり、道具を作るために文明を発展させていく。野球への熱意が文明を前に進め、その文明の進歩がまた野球を発展させていく。果たして二人はこの異星で9対9の野球を実現できるのか。さらには12球団のペナントレースまで辿り着けるのか。野球と科学とサバイバルが混ざり合う、かなり異色の物語。
どのような作品?
読み味としては、かなり野球版Dr.STONEに近い作品。とはいえ、試合の駆け引きや野球知識そのものを前面に押し出すというより、異星でどうやって道具を作るか、どう文明を進めるか、どう環境を整えるかといったサバイバルと発展の面白さが軸になっている。そのため、野球に詳しい人はもちろん楽しめるが、野球にそこまで詳しくない人でも十分入りやすい。
特に面白いのは、野球をやりたいという気持ちが文明発展の原動力になっているところで、最初は木の実でキャッチボールしていたような状況から、少しずつゴムやグローブのような道具が形になっていく流れに独特の高揚感がある。設定だけ見ると変化球の強い作品だが、実際に読むと想像以上に筋が通っていて、ちゃんと面白い。さらに、にいなさんと高次の関係が物語の芯にあるため、ラブコメとしての読みやすさもある。好きなものを夢中で語るにいなさんの魅力も強く、野球漫画というより、好きなものへの熱量が世界を動かしていく作品としてかなり印象に残る一作。
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