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あらすじ
主人公のくるちゃんは、裕福な家庭で美味しいご飯に囲まれ、一見すると何不自由なく暮らしている女の子。しかし、彼女の頭の中には「お母さんを私が幸せにしなきゃいけない」「お母さんよりも私が幸せになってはいけない」という強い思い込みが染み付いている。
すぐに不機嫌になる母親の態度や、家庭の中に漂う見えない圧力。それは読者の目から見れば明らかにおかしいものだが、くるちゃん自身は自分が虐待されているとは感じていない。むしろ、自分は恵まれているとすら思っている。そう思い込まなければいけないからだ。幸せであることを強要される少女の日常を描いた、じわじわと違和感が積み上がっていくヒューマンドラマ。
どのような作品?
一見すると裕福で恵まれた家庭の話に見えるが、その中にある見えない虐待や支配をじわじわ描いていく作品。大きな事件で一気に壊れていくというより、日常の会話や母親の機嫌、くるちゃん自身の思考の癖から、少しずつ不快感が積み上がっていくタイプの読み味になっている。
読者目線では、くるちゃんの母親がおかしいことはかなり分かりやすい。けれど、くるちゃん本人は自分の置かれている異常さに気づいていないし、気づいてはいけないと思っている。自分よりも恵まれていない人がいるのだから、自分は幸せなはずだと思い込まなければいけない。その構造がかなり苦しく、ただ暗いだけではなく、「幸せであることを強要される」という歪さが強く残る怪作。家庭内の違和感や、本人だけが自分の傷に気づけないタイプのしんどさを描いた作品が好きな人にはかなり刺さりやすい。
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